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ETCコーポレートカードは「高速道路が最大40%割引」と紹介されることが多いカードです。ところが、実際に走るルートには首都高速や名古屋高速、地方の有料道路も含まれます。それらの道路でもカードが使えるのか、割引まで受けられるのかは、意外とわかりにくいところです。
結論からいうと、ETCコーポレートカードは「使える道路」と「割り引かれる道路」が違います。NEXCOの大口・多頻度割引の対象は、高速国道の全線と、一般有料道路では京葉道路と東京湾アクアラインだけです。首都高速・阪神高速・本四高速は別の制度で割り引かれ、名古屋高速などの公社道路はカードが使えても大口・多頻度割引の対象には入っていません。さらに、圏央道など3つの道路はETC2.0の車だけが割引の対象です。
この記事では、道路を3つのグループに分けて割引の有無を整理し、ETC2.0で変わる2つの条件を解説します。
道路は3つのグループに分かれる
NEXCOの「ETCコーポレートカード利用案内書」の利用可能な道路一覧と、NEXCOの割引案内をもとに整理すると、次のとおりです(2026年9月時点のNEXCO公式サイト記載の内容)。
| グループ | 主な道路 | 割引 |
|---|---|---|
| A. NEXCOの大口・多頻度割引の対象 | NEXCO3社の高速国道の全線、京葉道路、東京湾アクアライン | 大口・多頻度割引 |
| A’. ETC2.0の車だけ対象 | 圏央道、新湘南バイパス、伊勢湾岸自動車道(東海JCT〜飛島JCT) | ETC2.0車のみ大口・多頻度割引 |
| B. 別の制度で割引 | 首都高速・阪神高速・本四高速の全線 | 各社の大口・多頻度割引 |
| C. 使えるが大口・多頻度割引の対象外 | 上記以外のNEXCOの一般有料道路(第三京浜、小田原厚木道路、第二京阪道路など)、名古屋高速・福岡高速・北九州高速・広島高速などの公社道路 | NEXCOの大口・多頻度割引なし |
グループCの道路も、ETCコーポレートカードで支払えます。公社道路の一部は、NEXCO分とあわせて請求されます。ただし、利用額はNEXCOの大口・多頻度割引の計算に入りません。ルートにこれらの道路が多いと、カード全体で見た割引率は下がります。
高速国道と一般有料道路は別々に計算される
グループAのうち、高速国道と、京葉道路などの一般有料道路の割引は別々に計算されます。たとえば1台で高速国道を月2万円、京葉道路を月1万円走った場合、合計3万円としてではなく、2万円と1万円それぞれに段階の割引率が当てはめられます。5千円までの部分は割引がないため、合算した場合より割引額は小さくなります。
首都高速・阪神高速・本四高速は条件が別
グループBの3社は、それぞれ独自の大口・多頻度割引を持っています。首都高速は1か月の割引対象額の合計が100万円を超えることなどが条件です。阪神高速は、ETCコーポレートカードの利用者なら阪神高速への申込手続は不要です。本四高速は、ETCコーポレートカードでの利用が条件で、1万円を超え5万円までの部分が6.9%、5万円を超える部分が13.8%です。各社の制度の詳細はETCコーポレートカードおすすめの申込窓口で解説しています。
ETC2.0で変わる2つの条件
ETC2.0については、「対象になる道路」と「割引率の上乗せ」で条件が異なります。混同しやすいので分けて整理します。上乗せは令和9年(2027年)3月末までの拡充措置です。
| 項目 | 条件 | 内容 |
|---|---|---|
| 対象道路の拡大 | ETC2.0の車 | 圏央道・新湘南バイパス・伊勢湾岸自動車道(東海JCT〜飛島JCT)も割引の対象になる |
| 割引率の上乗せ | ETC2.0の事業用車両 | 車両単位割引の率が各段階で10%上乗せ(10・20・30%→20・30・40%)。令和9年(2027年)3月末まで |
「事業用」は車検証で決まる
上乗せの対象になる事業用車両とは、車検証(軽自動車は軽自動車届出済証)で「事業用」と区別されているETC2.0搭載車です。会社の車であっても、車検証の区分が自家用であれば上乗せの対象にはなりません。運送業などで使う緑ナンバー・黒ナンバーの車が対象と考えるとわかりやすいでしょう。
つまり、自家用の社用車をETC2.0に替えた場合、圏央道などが割引の対象になる効果はありますが、割引率の上乗せは受けられません。上乗せの効果を月額別に知りたい場合はETCコーポレートカードの割引率の早見表をご覧ください。
自社のルートで割引を確かめる手順
- よく走るルートの道路を書き出し、上の3つのグループに分ける
- グループA(とETC2.0車ならA’)の利用額を、1台ごと・高速国道と一般有料道路ごとに出す
- グループBの道路が多い場合は、首都高速・阪神高速・本四高速の制度の条件を確認する
- ETC2.0の車がある場合は、車検証の区分が事業用かどうかを確認する
首都高速や名古屋高速など、グループB・Cの道路が中心の会社は、NEXCOの大口・多頻度割引の効果が小さくなります。その場合は、ETCコーポレートカードにこだわらず、どの道路でも同じ条件で使える協同組合型の法人ETCカードと比べてみてください。2つのカードの違いは法人ETCカードとETCコーポレートカードの違い、協同組合型の4枚の比較は法人ETCカードおすすめ4選で解説しています。
高速国道を1台あたり月3万円以上走る会社なら、ETCコーポレートカードの割引を活かしやすくなります。関東通信事業協同組合は、NEXCO高速国道を1台あたり毎月3万円以上利用することなどを発行条件として、ETCコーポレートカードの申し込みを取り次いでいます。1台あたり月いくらから得になるかはETCコーポレートカードはいくらから得かで計算しています。
よくある質問
名古屋高速や福岡高速は割引されますか?
ETCコーポレートカードで支払うことはできますが、NEXCOの大口・多頻度割引の対象道路には含まれていません。これらの公社道路を独自に割り引く制度があるかは、各道路公社に確認してください。
圏央道は普通のETCでは割引されませんか?
圏央道・新湘南バイパス・伊勢湾岸自動車道(東海JCT〜飛島JCT)が大口・多頻度割引の対象になるのは、ETC2.0の車だけです。従来のETC車載器の車では対象外です。
平日朝夕割引を受けた走行も対象になりますか?
平日朝夕割引(ETCコーポレートカード)の対象となる走行のうち、地方部の最大100km相当分は大口・多頻度割引の対象外です。深夜割引や休日割引を受けた走行は、割引後の金額に大口・多頻度割引がかかります。法人が使える割引の種類とカードごとの扱いは法人が使える高速道路の割引4種類で整理しています。
まとめ
- ETCコーポレートカードは「使える道路」と「割り引かれる道路」が違います
- NEXCOの大口・多頻度割引の対象は、高速国道の全線と京葉道路・東京湾アクアラインです
- 圏央道・新湘南バイパス・伊勢湾岸自動車道(東海JCT〜飛島JCT)はETC2.0車のみ対象です
- 首都高速・阪神高速・本四高速は別の制度、名古屋高速などの公社道路は使えても対象外です
- ETC2.0の10%上乗せは車検証で事業用の車だけで、令和9年(2027年)3月末までの措置です
本記事の内容は2026年9月時点でNEXCOおよび各発行元の公式サイトに記載されている情報をもとにしています。対象道路や割引率は変更される場合がありますので、利用前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
