法人ETCカードは複数枚作れる|枚数別の費用と車両ごとの管理方法

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社用車が増えたり、高速道路を使う社員が複数人になったりすると、1枚のETCカードを使い回す運用が限界を迎えます。誰がいつ持ち出したのかを追えず、月末の明細を見ても走行を車両ごとに切り分けられません。1枚を共用するときに起きることと受け渡しのルールは法人ETCカードの使い回しはできる?で解説しています。

法人ETCカードは複数枚発行できます。ただし枚数を増やしたときの費用の増え方は発行元によって構造が違い、枚数に比例して増える費用と、何枚作っても変わらない費用に分かれます。ここを取り違えると、枚数が増えた段階で想定外の負担になります。

この記事では、発行できる枚数・費用の増え方・カードを車両と社員のどちらに割り当てるかという運用の決め方を解説します。

目次

法人ETCカードは何枚まで作れるか

発行元によって案内の仕方が異なります(2026年9月時点の各公式サイト記載の内容)。

発行元枚数についての記載
高速情報協同組合「必要枚数をお申し込みいただけます」と案内し、「登録車両1台につき、最高4枚までカードの発行が可能。」と明記。会社全体の上限は記載なし
ETC協同組合「登録車両1台につき、最高4枚までカード発行が可能。」と明記。会社全体の上限は記載なし
KTK ETCカード(関東通信事業協同組合)カード1枚から利用でき、「ETC車載器1台につき、最大4枚まで発行可」と明記

3社とも、必要な枚数を申し込める前提で案内しています(高速情報協同組合の申込フォームの枚数欄には「ご希望に添えない場合もございます」との注記があります)。枚数そのものが壁になることは考えにくく、判断材料になるのは費用の増え方と管理のしやすさです。

3社とも挙げている「1台につき最大4枚」は、上限であると同時に1台の車両に4枚まで割り当てられるという意味でもあります。同じ車を交代で運転するドライバーそれぞれにカードを持たせる運用ができます。車の台数から作れる枚数を数える方法は法人ETCカードは何枚まで作れるかで解説しています。ETC協同組合は、登録車両に車載器を搭載していることを条件として明記しています。カードを分けたときにETCマイレージの還元がどう変わるかはETCマイレージは複数カードで合算できないで計算しています。

枚数が増えて上がる費用と、上がらない費用

複数枚を検討するときに最初に確認したいのが、費用が1社あたりでかかるのか、1枚あたりでかかるのかです。

発行元1社あたりの費用1枚あたりの費用
高速情報協同組合出資金10,000円(脱退時返金)カード発行手数料550円+取扱手数料550円(年1回)/いずれも公式サイトに「1枚」と明記
ETC協同組合出資金10,000円(脱退時返金)。「複数枚カードを発行しても1社/1万円で大丈夫です。」と明記カード発行手数料880円+年間手数料880円(年1回)/いずれも公式サイトに「1枚」と明記
KTK ETCカード出資金1口10,000円+賦課金(組合の会費にあたる費用)「1法人様 月500円」+保証金(原則必要・金額の記載なし)記載なし

ここで押さえたいのは2点です。

  • 出資金は枚数分かからない。ETC協同組合は複数枚でも1社1万円と明記しており、高速情報協同組合も出資金を1社単位で案内しています
  • カードごとの手数料は発行元によって扱いが違う。高速情報協同組合とETC協同組合は1枚ごとと明記し、KTK ETCカードの賦課金は1法人あたりの定額です

枚数別の初年度の費用(出資金を除く)

1枚あたりの金額を明記している2つの組合と、1法人あたり定額のKTK ETCカードを並べると、費用構造の違いがはっきりします。

枚数高速情報協同組合(1枚1,100円)ETC協同組合(1枚1,760円)KTK ETCカード(賦課金 年6,000円)
1枚1,100円1,760円6,000円
3枚3,300円5,280円6,000円
5枚5,500円8,800円6,000円
10枚11,000円17,600円6,000円

枚数が少ないうちは1枚ごとに課金する発行元のほうが安く、枚数が増えるほど定額の側が有利になります。初年度に逆転するのは高速情報協同組合なら6枚目、ETC協同組合なら4枚目です。2年目以降は発行手数料がかからず、1枚あたり年550円(高速情報協同組合)・年880円(ETC協同組合)になるため、逆転はそれぞれ11枚目・7枚目に遅れます。

ただしKTK ETCカードは出資金に加えて保証金の預け入れが原則必要とされており、金額は公式サイトに記載がありません。実際の初期費用は問い合わせて確認してください。費用構造をより広く比べたい場合は法人ETCカード4枚を費用で比較した記事で全体像を確認できます。

カードは車両に割り当てるか、社員に割り当てるか

複数枚にすると必ず決めることになるのが、1枚ずつを何に紐づけるかです。運用の方向はふたつあります。

車両に割り当てる

車1台につき1枚を車内に置き、その車を使う人が誰でもそのカードを使う方法です。明細がそのまま車両ごとの走行料金になるため、車両単位で費用を把握したい場合に向きます。

KTK ETCカードは「1か月のカード(車両)毎の通行明細が見やすく車両管理もできるようになり」と案内し、「営業所ごとの合計表の発行により、車両管理がよりスムーズに」とも記載しています。拠点が複数ある会社では、この集計単位が効いてきます。

社員に割り当てる

営業担当者ごとに1枚を持たせ、乗る車が変わっても同じカードを使う方法です。高速情報協同組合とETC協同組合は、レンタカーを含めてどの車でも利用できると案内しています。社用車・レンタカー・自家用車が入り混じる働き方では、こちらのほうが実態に合います。社用車の持ち方ごとの選び方は社用車のETCカードおすすめで解説しています。

KTK ETCカードは「従業員様の個人名義の車両であっても法人カードとして発行・利用可」と案内しており、社員の自家用車で営業に回るケースにも対応しています。

迷う場合は、経理が何を単位に費用を見たいかで決めると判断がぶれません。車両の維持費と合わせて見たいなら車両単位、営業所や担当者の経費として見たいなら人単位です。

枚数が増えたら走行料金にかかる手数料を見直す

高速情報協同組合とETC協同組合は、毎月の走行料金に対して8%の事務手数料がかかると公式サイトに記載しています。これは枚数ではなく、会社全体の走行料金の合計に対してかかります。

  • 全社の月合計10万円 → 手数料8,000円/月(年96,000円)
  • 全社の月合計30万円 → 手数料24,000円/月(年288,000円)
  • 全社の月合計50万円 → 手数料40,000円/月(年480,000円)

カードの年間費用が数千円でも、枚数が増えて走行料金が積み上がると、負担の主役はこちらに移ります。枚数を増やす検討は、走行料金の総額を見直す機会でもあります。

NEXCOの高速国道を1台あたり毎月3万円以上使っているなら、大口・多頻度割引という制度が視野に入ります。高速道路の1か月の利用額に応じて通行料金そのものが割り引かれる仕組みで、車両単位割引の割引率は最大30%です。ETC2.0を装着した事業用車両は令和9年(2027年)3月末までの拡充措置で最大40%になります。

この割引を受けられるのはETCコーポレートカードです。走行料金に手数料を上乗せする協同組合型とは費用の考え方が異なるため、枚数と走行額が増えた段階でETCコーポレートカードの割引率と申し込み窓口を解説した記事もあわせて確認してください。

複数枚の発行に向く3枚

ここで紹介する3枚を、枚数を増やす前提で整理します。

高速情報協同組合|必要な枚数だけ少しずつ増やしたい

「必要枚数をお申し込みいただけます」と案内しており、1枚あたりの費用は発行手数料550円と取扱手数料550円(年1回)です。いずれも「1枚」と明記されているため、枚数と費用の関係が読みやすいのが特徴です。

出資金は1社10,000円で、枚数分かかるものではありません。レンタカーを含めどの車でも使えると案内されているため、社員に持たせる運用にも向きます。給油専用の法人ガソリンカードを併用しても出資金は1万円のままです。

ETC協同組合|あとから追加する前提で始めたい

出資金について「複数枚カードを発行しても1社/1万円で大丈夫です。」と明記しており、追加発行を前提にした案内が具体的です。ETCカード追加申請書の書式も公式サイトで配布されているため、途中で枚数を増やす手順が用意されています。

最短で翌営業日に発送と案内されており、増車や増員に合わせて素早く枚数を足したい場合の選択肢になります。費用はカード発行手数料880円と年間手数料880円(年1回)で、いずれも1枚あたりです。登録車両1台につき最高4枚まで発行できると明記されています。

KTK ETCカード|枚数が多く、車両ごとに管理したい

賦課金が「1法人様 月500円」と1社あたりの定額であるため、枚数が増えるほど1枚あたりの負担が下がる構造です。カード1枚から利用でき、ETC車載器1台につき最大4枚まで発行できます。

車両ごとの通行明細と営業所ごとの合計表が案内されており、拠点や車両が多い会社の管理に向きます。請求書はインボイスに対応し、マイレージポイントは最大約9.1%還元です。ただし保証金の預け入れが原則必要とされ金額の記載がなく、発行までは約3週間かかります。

よくある質問

あとから枚数を増やせますか?

増やせます。ETC協同組合はETCカード追加申請書の書式を公式サイトで配布しており、高速情報協同組合も必要枚数を申し込める前提で案内しています。増車や増員のタイミングで足していく運用が可能です。

出資金は枚数分かかりますか?

かかりません。ETC協同組合は「複数枚カードを発行しても1社/1万円で大丈夫です。」と明記しています。高速情報協同組合も出資金を1社10,000円として案内しています。枚数に応じて増えるのは、カードごとの手数料です。

1台の車に複数枚を割り当てられますか?

高速情報協同組合は「登録車両1台につき、最高4枚までカードの発行が可能。」、ETC協同組合は「登録車両1台につき、最高4枚までカード発行が可能。」、KTK ETCカードは「ETC車載器1台につき、最大4枚まで発行可」と明記しています。同じ車を交代で運転する場合、ドライバーごとにカードを分けられます。

カードごとに明細は分かれますか?

KTK ETCカードは「1か月のカード(車両)毎の通行明細が見やすく車両管理もできるようになり」と案内し、営業所ごとの合計表の発行にも触れています。明細の様式は発行元によって異なるため、車両別・拠点別の集計が必要な場合は申し込み前に確認してください。

枚数を増やすと審査は厳しくなりますか?

高速情報協同組合とETC協同組合は「クレジット審査なし」と明記していますが、組合員資格や事業の実態は確認されます。何が確認されるのかは「審査なし」の意味を解説した記事で整理しています。枚数と確認内容の関係については、各組合の公式サイトに記載がありません。

まとめ

  • 3社とも必要な枚数を申し込める前提で案内しており、枚数そのものは壁になりにくいです
  • 出資金は1社単位で、枚数分は増えません。増えるのはカードごとの手数料です
  • 1枚ごとに課金する発行元は少数枚で有利、1法人あたり定額の発行元は枚数が増えるほど有利になります
  • カードを車両に割り当てるか社員に割り当てるかは、経理が費用を見たい単位で決めます
  • 枚数が増えると走行料金にかかる8%の手数料が負担の主役になります。総額しだいでETCコーポレートカードも比較対象です

本記事の情報は2026年9月時点で各公式サイトに記載されている内容にもとづいています。条件や費用は変更される場合がありますので、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

この記事を書いた人

法人ETCカードの費用構造と発行条件を、各発行元の公式サイトにあたって整理しています。年会費の表記だけでは見えない走行料金への手数料、出資金や保証金の扱い、必要書類の細かな違いなど、申し込み前に知っておきたい実務的な情報の提供を重視しています。掲載情報はすべて調査時点を明記し、条件変更を確認しだい記事を更新しています。

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