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個人事業主として仕事で高速道路を使うけれど、クレジットカードの審査には通りにくい、あるいはクレジットカードを増やしたくない。そんなときの候補は、協同組合型の法人ETCカードとETCパーソナルカードの2つです。どちらもクレジットカードがなくても作れますが、お金のかかり方がまったく違います。
先に結論をいうと、自分1人が1枚を使うだけなら、ETCパーソナルカードのほうが年間の負担は小さくなります。協同組合型は走行料金に8%の事務手数料がかかるためです。一方、従業員の分も含めて複数枚を使う、預け金を少なくしたいなら協同組合型が向いています。
この記事では、個人事業主がクレジットカードなしで作れるETCカードを比べ、月の高速代ごとの年間負担を計算したうえで、どちらを選ぶべきかを整理します。
クレジットカードなしで作れる2つの選択肢
個人事業主がクレジットカードを使わずに作れるETCカードは、次の2種類です(2026年9月時点の各公式サイト記載の内容)。
| 項目 | 協同組合型の法人ETCカード | ETCパーソナルカード |
|---|---|---|
| 発行元 | 事業協同組合 | NEXCO3社・首都高速・阪神高速・本四高速の6社 |
| 審査 | 「クレジット審査なし」と明記(高速情報協同組合・ETC協同組合)。組合独自の確認はある | 口座振替の設定時に金融機関の審査がある |
| 預け金 | 出資金1社10,000円(脱退時に返金) | デポジット(平均利用月額の4倍) |
| 年間の費用 | 取扱手数料550円または880円/1枚 | 年会費1,257円 |
| 走行料金への上乗せ | 事務手数料8% | なし |
| 利用限度額 | 上限の設定なし(ETC協同組合) | デポジット額まで |
| ETCマイレージ | 組合が登録・管理 | 自分で申し込める |
| 申し込みに必要な書類 | 確定申告書(または開業届)、車検証、セットアップ証明書(車載器の取り付け時に発行される書類)など | 運転免許証またはマイナンバーカードのコピー |
協同組合型の取扱手数料は、高速情報協同組合が550円、ETC協同組合が880円です。「クレジット審査なし」が何を意味し、何が確認されるのかは法人ETCカードは審査なしで作れる?で解説しています。
月の高速代ごとの年間負担
カード1枚を1年間使った場合の負担を計算しました。2年目以降の年間の費用として、カードの発行手数料は含めていません。走行料金そのものはどちらも同じなので、表には上乗せされる分だけを載せています。ETCマイレージの還元は含めていません。
| 月の高速代 | 高速情報協同組合 | ETC協同組合 | ETCパーソナルカード |
|---|---|---|---|
| 5,000円 | 年5,350円 | 年5,680円 | 年1,257円 |
| 1万円 | 年10,150円 | 年10,480円 | 年1,257円 |
| 3万円 | 年29,350円 | 年29,680円 | 年1,257円 |
協同組合型は、事務手数料8%(月1万円なら月800円)と取扱手数料の合計です。ETCパーソナルカードは年会費だけなので、高速代が増えても負担は変わりません。1枚だけで比べると、月5,000円でも年4,000円ほどの差があります。
事務手数料8%の仕組みと試算はクレジット機能なしの法人ETCカードとはで詳しく解説しています。
預け金はETCパーソナルカードのほうが大きい
年間の負担とは逆に、最初に預けるお金はETCパーソナルカードのほうが大きくなります。デポジットは平均利用月額の4倍で、利用できるのはデポジット額までです。
| 月の高速代 | 協同組合型の出資金 | ETCパーソナルカードのデポジット |
|---|---|---|
| 5,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
| 1万円 | 10,000円 | 40,000円 |
| 3万円 | 10,000円 | 120,000円 |
どちらも費用ではなく、やめるときに返金される預け金です。ただし、ETCパーソナルカードは利用額がデポジットを超えられないため、繁忙期に高速代が増える仕事では、デポジットの増額を事務局に相談する必要があります。
どちらを選ぶべきか
ETCパーソナルカードが向いている個人事業主
- 自分1人で運転し、カードは1枚あれば足りる
- 月の高速代がおおむね一定で、デポジットを用意できる
- ETCマイレージのポイントを自分で貯めて使いたい
デポジットの入金からカード到着までは2週間程度です。ETCパーソナルカードの条件は法人ETCカードの審査に落ちたらでも紹介しています。
協同組合型が向いている個人事業主
- 従業員の分も含めて、複数枚を使う
- 高速代が月によって大きく変わり、限度額を気にせず使いたい
- 預け金は1万円に抑えたい
- 事業用のカードとして、組合が発行する請求書で経費を管理したい
協同組合型は、何枚作っても出資金は1社1万円です。高速情報協同組合とETC協同組合は、登録車両1台につき最大4枚まで発行できます。複数枚の費用の増え方は法人ETCカードは複数枚作れるで解説しています。それぞれの申し込みの手順は個人事業主のETCカードの作り方で解説しています。
申告前の個人事業主は、開業届の写しで申し込めます。高速情報協同組合は「開業届を出しているのであればそちらの写しで大丈夫です」と案内しています。個人事業主の必要書類は個人事業主のETCカードで詳しく解説しています。
ETC協同組合は「自営業やフリーランスでも法人ETCカードを申請できますか?」という問いに「可能です。」と答えています。書類が組合に届いてから最短翌営業日に発送される点も特徴です。
4枚の費用と条件をまとめて比べたい場合は法人ETCカードおすすめ4選をご覧ください。
よくある質問
ETCパーソナルカードを事業用に使ってもよいですか?
ETCパーソナルカードは「有料道路の通行料金のお支払いに限定されたカード」で、法人でも申し込めます。個人事業主が事業の高速代の支払いに使うことはできます。私用の走行にも使う場合は、明細から事業分を分けて記帳する必要があります。
協同組合型の8%は高すぎませんか?
高速情報協同組合は、事務手数料の理由を「請求書作成、信販会社への立替保証などに伴い」と説明しています。クレジット審査をしない代わりに、組合が支払いを立て替える費用と考えるとわかりやすいでしょう。1枚だけならETCパーソナルカードのほうが安くなるため、枚数と預け金を含めて判断してください。
ETCコーポレートカードは個人事業主でも作れますか?
作れます。NEXCOの利用案内書では、申し込みは「個人又は法人単位」とされています。ただし、車検証の使用者名義が申込者と同じ車に限られ、支払いの保証として最低10万円が必要です。1台あたりの高速代が月3万円を超える場合に検討するとよいでしょう。個人事業主が申し込むときに確認したい車の名義や保証のことはETCコーポレートカードは個人事業主も作れるで解説しています。
まとめ
- クレジットカードなしで作れるのは、協同組合型の法人ETCカードとETCパーソナルカードの2つです
- 1枚だけなら、年会費1,257円のみのETCパーソナルカードのほうが年間の負担は小さいです
- ただしETCパーソナルカードは、平均利用月額の4倍のデポジットが必要で、利用はその額までです
- 複数枚を使う、預け金を1万円に抑えたい、限度額を気にしたくないなら協同組合型が向いています
- 協同組合型は開業届の写しでも申し込めます
本記事の試算は2026年9月時点で各発行元の公式サイトに記載されている手数料・年会費をもとにした概算です。条件や費用は変更される場合がありますので、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
