法人ETCカードは年会費無料で選んでいい?無料の3つの型と年会費以外の費用

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社用車のETCカードを用意するなら、できれば年会費はかけたくないものです。「法人ETCカード 年会費無料」で探すと、法人クレジットカードに付けるETCカードが多く並び、クレジット機能のない協同組合型のカードは「手数料がかかる」と書かれていることがよくあります。

先に結論をいうと、「年会費無料」には条件なしで無料・利用があれば無料・年会費の名目がないという3つの型があり、年会費だけを比べても実際の負担は分かりません。費用は「持っているだけでかかる費用」と「使った分にかかる費用」に分けて見ると、自社にとって安いカードを判断しやすくなります。

この記事では、年会費無料の3つの型、年会費以外にかかる費用の種類、年会費無料のカードが向く会社と向かない会社、申し込む前に確認したい条件を順に整理します。

目次

「年会費無料」の法人ETCカードには3つの型がある

同じ「年会費無料」という表示でも、無料になる仕組みはカードによって違います。公式サイトの案内を見ると、次の3つの型に分けられます。

型1:条件なしで年会費が無料

ETCカードを使っても使わなくても、年会費がかからない型です。たとえば法人カードのUPSIDERは、ETCカードの年会費を「無料」と案内しています。

ただし、年会費とは別にカード発行手数料が1枚あたり550円(税込)かかります。年会費無料でも、作るときの費用がゼロとは限りません。

型2:利用があれば年会費が無料

初年度は無料で、2年目以降は前年度の利用状況によって年会費がかかるかどうかが決まる型です。

  • 三井住友ETCカード(法人用):初年度無料。入会翌年度以降は、前年度に一度もETC利用の請求がない場合に年会費550円(税込)がかかる
  • JCB Biz ONEのETCスルーカード:初年度無料。2年目以降は利用状況に応じて無料となり、条件に該当しない場合は550円(税込)。発行できるのは1枚

ふだん使っている車のカードなら、年1回の利用で条件を満たせるため、実質的に無料で持ち続けられます。一方で、予備として持っていて1年間使わなかったカードには年会費がかかります。

型3:年会費という名目がない(協同組合型)

クレジット機能のない協同組合型のETCカードは、「年会費」という名目の費用を案内していません。その代わりに、次のような費用がかかります。

  • 年1回の手数料:高速情報協同組合は取扱手数料550円(税込)、ETC協同組合は年間手数料880円。どちらもカード1枚あたり
  • 賦課金(組合の会費にあたる費用):関東通信事業協同組合(KTK)のKTK ETCカードは、1法人あたり月500円(2年目以降は年額6,000円を一括払い)
  • 走行料金に対してかかる手数料:高速情報協同組合とETC協同組合は毎月の走行料金の8%。KTKは「カード1枚あたりの通行料総額に対してマイレージ還元手数料等がかかります」と案内しており、率は公式サイトに記載がありません

つまり協同組合型は、「年会費無料かどうか」という基準では比べられないカードです。年1回の手数料や賦課金を、実質的な年会費として見る必要があります。

年会費以外にかかる費用は2種類に分けて見る

法人ETCカードの費用は、名目がカードごとにばらばらです。比べるときは、次の2種類に仕分けると整理できます。

持っているだけでかかる費用

ETCカードを使った金額に関係なく発生する費用です。年会費、年1回の手数料、賦課金、カード発行手数料がこれにあたります。

協同組合型で最初に払う出資金(1社10,000円)は、脱退時に返金されると高速情報協同組合とETC協同組合は案内しています。組合に預けるお金であり、年会費のように毎年消えていく費用とは性質が違います。

使った分にかかる費用

走行料金に比例して増える費用です。協同組合型では、走行料金に対する事務手数料がこれにあたります。高速情報協同組合は、8%の理由を「請求書作成、信販会社への立替保証などに伴い」と説明しています。

走行料金が月1万円なら事務手数料は月800円、年間で9,600円です。年1回の手数料(550円や880円)よりも、走行料金が多い会社ほど事務手数料のほうが大きな負担になります。走行料金ごとの試算はクレジット機能なしの法人ETCカードの仕組みと事務手数料の試算で扱っています。深夜割引などを受けたあとの実質の負担は法人ETCカードの割引は実質何%?で計算しています。

法人クレジットカード付帯のETCカードを検討する場合も、年会費の条件だけでなく、走行料金に上乗せされる手数料がないかを公式サイトで確認しておくと安心です。

年会費の条件と年会費以外の費用の一覧

カード1枚を持つ場合の費用を、2種類に分けて並べます(2026年9月時点の各公式サイト記載の内容)。

カード型年会費または年1回の費用作るときの費用使った分にかかる費用
UPSIDER(ETCカード)条件なしで無料無料発行手数料550円(税込)/1枚ETCカードの案内ページに記載がありません
三井住友ETCカード(法人用)利用があれば無料初年度無料。前年度にETC利用の請求がなければ550円(税込)ETCカードの案内ページに記載がありませんETCカードの案内ページに記載がありません
JCB Biz ONE(ETCスルーカード)利用があれば無料初年度無料。条件に該当しなければ550円(税込)ETCカードの案内ページに記載がありませんETCカードの案内ページに記載がありません
高速情報協同組合年会費の名目なし取扱手数料550円(税込)/1枚出資金10,000円(脱退時返金)、発行手数料550円(税込)/1枚走行料金の8%
ETC協同組合年会費の名目なし年間手数料880円/1枚出資金10,000円(脱退時返金)、発行手数料880円(税込)/1枚走行料金の8%
KTK ETCカード年会費の名目なし賦課金 月500円(2年目以降は年額6,000円)。1法人あたりで枚数によらず定額出資金1口10,000円、保証金(原則。金額は公式サイトに記載がありません)通行料総額に対するマイレージ還元手数料等(率は公式サイトに記載がありません)

法人クレジットカード付帯の3枚は、ETCカードを付ける親カードの年会費が別にかかる場合があります。JCB Biz ONEは一般カードが永年無料、ゴールドは5,500円(税込)で初年度無料です。

協同組合型の3枚を含む費用の全体比較は、法人ETCカードおすすめの比較にまとめています。

年会費無料のカードが向く会社・向かない会社

年会費だけで見れば、法人クレジットカード付帯のETCカードが有利に見えます。ただし、どの会社にも合うわけではありません。

年会費無料のクレジットカード付帯が向く会社

  • 法人クレジットカードをすでに持っている、または申し込めば発行される見込みがある
  • ETCカードの枚数が少なく、どのカードも年に1回以上は使う
  • 高速道路の支払いをクレジットカードの利用代金とまとめて管理したい

年会費無料にこだわらないほうがよい会社

  • 設立直後で法人クレジットカードが作りにくい:高速情報協同組合とETC協同組合は「クレジット審査なし」と明記しています。審査で何が確認されるかは法人ETCカードは審査なしで作れるかで解説しています
  • 車の台数が多く、カードが何枚も必要:JCB Biz ONEのETCスルーカードは1枚までです。UPSIDERは「原則無制限ですが、当社都合により制限させていただく場合がございます。」と案内しています
  • 個人事業主:UPSIDERは「個人事業主の方はご利用いただくことができません」と明記しています。高速情報協同組合・ETC協同組合・KTKは個人事業主も申し込めます。個人事業主がクレジット審査なしで作れるカードは個人事業主がクレジット審査なしで作れるETCカード2種類で比較しています
  • 使わない時期がある予備カードを持ちたい:利用があれば無料の型では、1年間使わなかったカードに550円(税込)がかかります

年会費無料のカードに申し込む前に確認したい5つの条件

「年会費無料」の表示を見たら、次の5つを公式サイトで確認しておくと、あとから想定外の費用が出にくくなります。

  1. 無料の条件:条件なしか、前年度の利用が条件か。初年度だけ無料ではないか
  2. 親カードの年会費:ETCカードが無料でも、親カードに年会費がかからないか
  3. 発行手数料:年会費とは別に、カード1枚ごとに発行手数料がかからないか
  4. 発行できる枚数:必要な台数分のカードを作れるか
  5. 申込対象:法人のみか、個人事業主も申し込めるか

協同組合型のカードを比べる場合は、1と2の代わりに「年1回の手数料がカード1枚あたりか、1社あたりか」を確認します。高速情報協同組合とETC協同組合は1枚あたり、KTKの賦課金は1法人あたりの定額です。枚数が増えたときの費用の違いは法人ETCカードを複数枚作るときの費用と管理で解説しています。

クレジット審査なしで作れる協同組合型のカード

年会費無料のクレジットカード付帯が合わない場合は、協同組合型のカードが候補になります。年1回の手数料が比較的少ないのは高速情報協同組合(1枚550円)、書類到着後の発送を最短翌営業日と明記しているのはETC協同組合です(高速情報協同組合は10日程度と最短翌営業日の2通りの案内があります)。高速情報協同組合の手数料を払う時期と紛失時の費用は高速情報協同組合の手数料はいくら?で整理しています。

カードを何枚も作る予定なら、賦課金が枚数によらず1法人あたり定額のKTK ETCカードも比べておくとよいでしょう。

よくある質問

年会費無料の協同組合型ETCカードはありますか?

高速情報協同組合・ETC協同組合・KTKの3つは、いずれも「年会費」という名目の費用を案内していません。ただし、年1回の手数料や賦課金がかかるため、持っているだけで費用がかからないわけではありません。

出資金は年会費と同じように毎年かかりますか?

高速情報協同組合とETC協同組合の出資金は1社10,000円で、脱退時に返金されると案内されています。毎年払う費用ではありません。ETC協同組合は、複数枚発行しても出資金は1社1万円としています。出資金を経理でどう扱うかは法人ETCカードの経費処理で解説しています。

1年間ETCカードを使わなかったらどうなりますか?

利用があれば無料の型では、年会費がかかります。三井住友ETCカード(法人用)は、前年度に一度もETC利用の請求がない場合に550円(税込)です。協同組合型の年1回の手数料は、カード1枚ごとにかかる費用として案内されています。使う予定のないカードは、解約も含めて見直すと費用を抑えられます。

個人事業主でも年会費無料のETCカードを作れますか?

JCB Biz ONEは、申込対象を「法人代表者または個人事業主(フリーランス・副業含む)」としています。UPSIDERは個人事業主は利用できません。個人事業主が事業用のETCカードを持つ意味と必要書類は、個人事業主のETCカードで解説しています。

まとめ

  • 「年会費無料」には条件なしで無料・利用があれば無料・年会費の名目がないの3つの型があります
  • 利用があれば無料の型は、1年間使わなかったカードに550円(税込)がかかります
  • 年会費無料でも、発行手数料や親カードの年会費が別にかかる場合があります
  • 協同組合型は年会費の代わりに年1回の手数料や賦課金がかかり、走行料金が多い会社ほど事務手数料8%の負担が大きくなります
  • クレジットカードが作りにくい会社、カードが何枚も必要な会社、個人事業主は、年会費無料にこだわらず協同組合型も比べると選択肢が広がります

本記事の情報は2026年9月時点で各公式サイトに記載されている内容にもとづいています。条件や費用は変更される場合がありますので、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

この記事を書いた人

法人ETCカードの費用構造と発行条件を、各発行元の公式サイトにあたって整理しています。年会費の表記だけでは見えない走行料金への手数料、出資金や保証金の扱い、必要書類の細かな違いなど、申し込み前に知っておきたい実務的な情報の提供を重視しています。掲載情報はすべて調査時点を明記し、条件変更を確認しだい記事を更新しています。

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