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法人ETCカードを探していると、ETC協同組合と高速情報協同組合という2つの組合がよく並んで紹介されています。どちらも福岡県北九州市の組合で、名前も案内の文面もよく似ているため、どちらに申し込めばいいか迷いやすい組み合わせです。
先に結論をいうと、2つの組合は仕組みの大部分が共通していて、手数料の差はカード1枚あたり330円です。選ぶときに効いてくるのは手数料よりも、必要書類・請求書と明細の扱い・事業地区の違いです。発行までの期間は、高速情報協同組合の案内がページによって分かれているため、急ぐ場合はどちらの組合にも事前の確認が必要です。
この記事では、まず共通点を押さえたうえで、2つの組合の違いを項目ごとに比べ、どんな会社がどちらに向くかを整理します。
ETC協同組合と高速情報協同組合の共通点
違いを見る前に、同じ部分を確認しておきます。次の点は、2つの組合の公式サイトでほぼ同じ内容が案内されています。
- 出資金は1社10,000円で、脱退時に返金される
- 毎月の走行料金に対して8%の事務手数料がかかる(どちらも「請求書作成、信販会社への立替保証などに伴い」と説明)
- 「クレジット審査なし」と明記している
- 申し込めるのは法人と個人事業主に限られる
- レンタカーを含め、どの車でも利用できる
- 登録車両1台につき、最高4枚までカードを発行できる
- 請求は月末締めで、翌月20日頃に請求書が公開され、翌々月に口座振替
- ETCマイレージサービスは組合が登録・管理し、組合員が個別に登録・管理することはできない
ETCマイレージサービスは、どちらの組合も「還元あり」と案内しています。ただし登録と管理は組合が行うため、自社で登録する使い方はできません。この点は2つの組合で変わりません。
ETC協同組合と高速情報協同組合の違い一覧
違いがあるのは次の項目です(2026年9月時点の各公式サイト記載の内容)。
| 項目 | ETC協同組合 | 高速情報協同組合 |
|---|---|---|
| カード発行手数料 | 880円(税込)/1枚 | 550円(税込)/1枚 |
| 年1回の手数料 | 年間手数料 880円/1枚 | 取扱手数料 550円(税込)/1枚 |
| 発行までの期間 | 書類到着後、最短翌営業日に発送 | 書類到着後10日程度。申込ページでは最短翌営業日に発送と案内 |
| 必要書類の点数 | 4点(代表者の本人確認書類を含む) | 4点(代表者の運転免許証を含む) |
| 口座振替日 | 翌々月5日または6日(請求書に記載の振替日) | 翌々月8日 |
| Web明細・インボイス | Web明細あり。2023年10月からインボイス対応の請求書を発行 | Web明細(楽楽明細)あり。2023年10月利用分からインボイス対応の請求書を発行 |
| 事業地区 | 42都道府県(青森県・和歌山県・島根県・長崎県・宮崎県の記載なし) | 全国46都道府県(沖縄県を除く) |
| ガソリンカード | アポロステーション(全国約6,400店舗)で使えるカード | アポロステーション(全国約6,400店舗)で使えるカード |
| ETCコーポレートカード | 公式サイトに案内がありません | 取り扱いあり(2026年10月時点で資料請求の受付を停止) |
以下、選ぶときに判断が分かれやすい項目から順に見ていきます。
違い① 手数料の差はカード1枚あたり330円
カード発行手数料はETC協同組合が880円、高速情報協同組合が550円で、差は1枚330円です。年1回かかる手数料も880円と550円で、同じく1枚330円の差があります。
カードが10枚なら、発行時に3,300円、その後も年1回の手数料で毎年3,300円の差になります。枚数が多いほど高速情報協同組合のほうが有利です。枚数ごとの年間費用は法人ETCカードを複数枚作るときの費用で試算しています。
一方で、走行料金にかかる8%の事務手数料は2つの組合で同じです。高速道路を月1万円使えば毎月800円、月5万円なら毎月4,000円かかり、カードの手数料の差よりもはるかに大きな金額になります。手数料の差だけで組合を決める必要はありません。ほかの組合やETCコーポレートカードも含めた費用の比較は、法人ETCカード4枚を費用と発行期間で比較した記事で整理しています。
違い② 発行までの期間は高速情報協同組合の案内が2通り
ETC協同組合は申込ページで「組合に書類到着後、最短翌営業日に発送が可能です。」と案内しています。あわせて「ご希望に添えない場合もございます。」とも書かれており、必ず翌営業日に届くわけではありません。
高速情報協同組合は、kousoku-etc.netで「組合に書類到着後、10日程度でカードが出来上がります。」と案内しています。一方、同組合の申込ページには、ETC協同組合と同じく「組合に書類到着後、最短翌営業日に発送が可能です。」と書かれています。案内が2通りあるため、発行の早さだけで2つの組合を選び分けるのは難しいところです。高速情報協同組合は「お急ぎの方はお手数ですがお電話にてお問い合わせください。」とも案内しています。
どちらも起点は組合に書類が届いた日です。申し込みフォームを送ったあとに組合から書類が送られてきて、それを記入して返送する流れは2つの組合で共通しているため、書類の返送が遅れればその分だけ手元に届くのも遅れます。急ぐ場合は、登記簿謄本などの添付書類を先にそろえておくと待ち時間を減らせます。申し込みから使えるまでの日数は法人ETCカードの発行期間は?で詳しく解説しています。
違い③ 必要書類は本人確認書類の範囲が違う
必要書類の大半は共通していますが、次の点が違います。
| 書類 | ETC協同組合 | 高速情報協同組合 |
|---|---|---|
| 法人の登記書類 | 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)。発行6ヶ月以内のもの、写し可 | 履歴事項全部証明書(6ヶ月以内)。コピー可 |
| 個人事業主の書類 | 所得税確定申告書の写し。始めたばかりの場合は開業届や取引先との契約書なども可 | 所得税確定申告書。開業届でも可、コピー可 |
| 車両の書類 | 車検証の写し、ETC車載器セットアップ証明書(車載器の取り付け時に発行される書類)の写し | 車検証の写し、ETC車載器セットアップ証明書の写し |
| 本人確認書類 | 代表者の運転免許証、住民票、健康保険証のいずれかの写し | 代表者の運転免許証の写し |
書類はどちらも4点です。違うのは、本人確認書類としてETC協同組合が運転免許証・住民票・健康保険証のいずれかを認めているのに対し、高速情報協同組合は運転免許証を挙げている点です。確定申告をまだしていない個人事業主は、どちらも開業届で申し込めます。開業届のほか、ETC協同組合は申込案内に取引先との契約書や領収書を、高速情報協同組合はよくある質問で契約書類などを挙げています。高速情報協同組合は、開業届がない場合や書類がそろわない場合は電話で相談するよう案内しています。
開業直後の書類の準備については、個人事業主の必要書類と開業直後の選び方を解説した記事で詳しく説明しています。書類の取り寄せ先と有効期限は法人ETCカードの必要書類4種類で解説しています。
違い④ 請求書と明細の扱い
月末締めで翌月20日頃に請求書が公開される点と、Web明細・インボイス対応の請求書がある点は同じです。差があるのは口座振替の日と、届出の書式の送り方です。
- 口座振替日:高速情報協同組合は「翌々月8日」。ETC協同組合はよくある質問で「翌々月5日or 6日」とし、収納代行会社によって異なるため請求書に書かれた振替日を確認するよう案内しています
- Web明細:ETC協同組合は請求書に記載のIDとパスワードでログインする方法を案内しています。高速情報協同組合は公式サイト(kousoku-j.jp)のトップページに「楽楽明細」の入口を設けています
- インボイス:ETC協同組合は「2023年10月よりインボイス対応の請求書を発行しております。」、高速情報協同組合は「2023年10月利用分よりインボイス対応の請求書を発行しております。」と告知しています
- 届出の書式:どちらの組合も、カードの紛失届・追加申請書・届出事項変更届を組合員向けに配布しています。ETC協同組合はメールやFAXでも送れると案内しています
高速情報協同組合のWeb明細とインボイス対応の案内は、kousoku-j.jp のトップページに載っています。kousoku-etc.net や申込ページには書かれていないため、そちらだけを見ると対応していないように見える点に注意してください。
違い⑤ 事業地区とガソリンカード
事業地区に含まれる都道府県が違う
協同組合には、事業を行う地域として「事業地区」が定められています。高速情報協同組合は事業地区を「全国46都道府県(沖縄県を除く)」としています。ETC協同組合は組合概要に42都道府県を挙げており、青森県・和歌山県・島根県・長崎県・宮崎県は含まれていません。沖縄県は含まれています。
沖縄県の事業者はETC協同組合、上の5県の事業者は高速情報協同組合の事業地区にだけ入ります。事業地区に含まれていない県から申し込めるかどうかは公式サイトに記載がないため、該当する場合は申し込み前に組合へ確認してください。申し込みを断られたときの次の申込先は法人ETCカードの審査に落ちたら?で解説しています。
ガソリンカードと、ETCコーポレートカードの取り扱い
どちらの組合も、ETCカードとは別に給油用の法人ガソリンカードを扱っています。ETC協同組合は全国約6,400店舗のアポロステーションで使えるカードを案内しており、手数料・年会費・事務手数料は無料です。高速情報協同組合も、全国約6,400店舗のアポロステーションで使えるカードを案内しており、年会費と手数料は無料です。どちらもETCカードと併用して出資金は1社1万円です。
また、高速情報協同組合はETCコーポレートカードも取り扱っており、「首都高速・阪神高速をメインで利用される法人・個人事業主さま向け」と案内しています。ただし、2026年10月時点ではETCコーポレートカードのページに「現在、資料請求の受付を停止しております。」と書かれています。ETC協同組合の公式サイトには、ETCコーポレートカードの案内がありません。ETCコーポレートカードの窓口の選び方はETCコーポレートカードおすすめで解説しています。
どっちを選ぶか|ケース別の目安
ここまでの違いを、会社の状況ごとにまとめます。
| 会社の状況 | 向いている組合 | 理由 |
|---|---|---|
| すぐにカードが必要 | どちらも事前に確認 | ETC協同組合は最短翌営業日の発送を明記。高速情報協同組合は10日程度と最短翌営業日の2通りの案内がある |
| カードの枚数が多い | 高速情報協同組合 | 発行手数料・年1回の手数料とも1枚330円安い |
| 沖縄県の事業者 | ETC協同組合 | 高速情報協同組合の事業地区に含まれない |
| 青森県・和歌山県・島根県・長崎県・宮崎県の事業者 | 高速情報協同組合 | ETC協同組合の事業地区に記載がない |
どれにも当てはまらない場合は、どちらを選んでも大きな差は出ません。枚数が多いなら手数料の安い高速情報協同組合、所在地が事業地区に入っていなければもう一方と覚えておけば十分です。
2つの組合の申し込み先
ETC協同組合|請求書まわりを整えたい
書類到着後、最短翌営業日に発送と案内しています。費用は出資金10,000円(脱退時返金)、カード発行手数料880円と年間手数料880円(年1回)で、手数料はいずれも1枚あたりです。Web明細の案内とインボイス対応の請求書があり、紛失届や追加申請書の書式も公式サイトで配布しています。公式サイトに書かれていない項目や申し込む前に確かめたい点はETC協同組合の評判と注意点でまとめています。デメリットがどんな会社で重くなるかはETC協同組合のデメリット6つで整理しています。
高速情報協同組合|枚数が多く、手数料を抑えたい
カード発行手数料550円と取扱手数料550円(年1回)で、いずれも1枚あたりです。出資金は10,000円(脱退時返金)で、書類到着後10日程度でカードが出来上がると案内しています(申込ページでは最短翌営業日に発送と案内)。事業地区は沖縄県を除く46都道府県です。ETCコーポレートカードも取り扱っていますが、2026年10月時点では資料請求の受付を停止しています。良い点と注意点は高速情報協同組合のETCカードの評判で、手数料を払う時期と紛失時の費用は高速情報協同組合の手数料はいくら?で解説しています。
よくある質問
ETC協同組合と高速情報協同組合は同じ団体ですか?
公式サイトでは、それぞれ別の代表理事と連絡先を持つ組合として案内されています。高速情報協同組合の設立は平成5年3月と記載されていますが、ETC協同組合の設立年と、2つの組合の関係については公式サイトに記載がありません。
どちらのほうが審査に通りやすいですか?
どちらも「クレジット審査なし」と明記していますが、組合員資格や事業の実態は確認されます。2つの組合で確認の基準がどう違うかは、公式サイトに記載がありません。書類の面では、本人確認書類として認められる範囲に違いがあります。
ETCマイレージのポイントは自分で登録するのですか?
自分では登録しません。2つの組合とも、ETCマイレージサービスの登録と管理は組合が行い、組合員が個別に登録・管理することはできないと案内しています。組合は登録の際に、申し込んだ組合員が保有する車載器の情報を使います。
口座振替の日が休日にあたったらどうなりますか?
ETC協同組合は、引き落とし日が休日・祝日の場合は翌営業日の引き落としになると案内しています。高速情報協同組合も、振替日が土日祝の場合は翌営業日に振替になると案内しています。
両方の組合でガソリンカードを作ると出資金は増えますか?
同じ組合でETCカードとガソリンカードを作る場合、出資金は1社1万円のままです。ETC協同組合は「組合加入出資金は1社につき1万円です。」と明記しています。別々の組合に加入する場合は、それぞれの組合に出資金が必要になります。
まとめ
- ETC協同組合と高速情報協同組合は、出資金1社1万円・事務手数料8%・どの車でも利用可・1台最高4枚など仕組みの大部分が共通しています
- 手数料の差はカード1枚あたり330円で、高速情報協同組合のほうが安くなります。走行料金の8%のほうが金額は大きく、手数料だけで決める必要はありません
- ETC協同組合は、本人確認書類の選択肢の広さ(運転免許証・住民票・健康保険証のいずれか)が強みです。Web明細とインボイス対応の請求書は2つの組合とも案内しています
- 発行までの期間は、ETC協同組合が最短翌営業日の発送、高速情報協同組合は10日程度と最短翌営業日の2通りの案内です。急ぐ場合はどちらも申し込み前に確認しましょう
- 高速情報協同組合は枚数が多いときの手数料と、沖縄県を除く46都道府県という事業地区の広さが強みです。ETCコーポレートカードは2026年10月時点で資料請求の受付を停止しています
- 事業地区が違うため、沖縄県と青森県・和歌山県・島根県・長崎県・宮崎県の事業者は所在地で選ぶ組合が決まります
本記事の情報は2026年10月時点で各公式サイトに記載されている内容にもとづいています。条件や費用は変更される場合がありますので、申し込み前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
